PMマシーン

もし優秀なプロマネの行動パターンを模したマシンを作り、箱に入れ、それをチューリングテストにかけたとする。これを「PMマシーン」とでも呼ぼう。さて、メンバーはプロジェクトに関する様々な相談をPMマシーンと行う。PMマンーンは、問題があれば目的・課題・アクションフレームワークで解決を図り、メンバーの性格に応じた役割分担を行う。もちろん、スケジュールの調整もプログラミングされている。
メンバーは困ったらこのPMマシーンの前で話す。するとPMマシーンは最も適切らしい答えを返してくれる。PMマシーンも参加して朝会も行うことができるだろう。優秀なPMマシーンなら、メンバーは箱の中に人間がいるのか、マシンが入っているのか判別できないはずだ。
さて、PMマシーンはこのプロジェクトを成功させることができるだろうか?大抵の人は、うまくいきっこないと感じると思う。何故か?
ぼくは、やはりそれは感情のせいだと思う。プロジェクトには様々な問題が発生し、しかもその結構な部分はプロジェクトメンバーの感情に起因する。これは事実だと感じている。しかし、実はプロジェクトの成功もプロジェクトメンバーの感情に起因しているんじゃないかと思う。たとえそれが怒りとか、悲しみとかネガティブなものであっても、だ。
理想的にプログラミングされたプロマネは理性的だ。決して感情的にならず、冷静に問題と接する。しかも、メンバーに迎合するわけではなく、ちゃんと注意もできる。だけど、人間の一瞬の感情の爆発から生まれるちょっとした間違いや行き過ぎが、実はプロジェクトに与えるプラスの影響というのも無視できないのではないか?想定外のシチュエーションから生まれる新しいアイディアや人間関係って、すごく重要じゃないか?
それは計算できないし、一時的にはストレスフルなシチュエーションを生み出す。でも、うまくいったプロジェクト、楽しかったプロジェクト、印象に残ったプロジェクトって、みんなそんなもんじゃないか?
さて、このエントリをどうやって教訓にまとめようかって?まあ、いいじゃないの教訓は。まずは、心の底から真剣に取り組んでみよう。