ソフトウエア開発に役立つマインドマップ

ソフトウエア開発に役立つマインドマップ

ソフトウエア開発に役立つマインドマップ

ぼくの10年来の師匠、平鍋さんが本を書きました。
思えば、平鍋さんはつねに「やらかいこと」を追求しています。アジャイルや、プロジェクトファシリテーションもそうですし、平鍋さんと直接お話されたかたなら、なんとなく分かってもらえる感覚でしょう。
本書にもあるとおり、マインドマップは半構造であり、半構造はオープンで、やらかいです。平鍋さんがマインドマップにほれ込むのは良く理解できます。
第2章「開発の現場で使うマインドマップ」では、会議の場での活用法から自己紹介に使えるソーシャル&ファシリテーション的なテクニックから、非機能要件の聞き取りマップといった、「しっかりめ」の使い方も紹介されています。非機能要件にせよデザインパターンカタログにせよ、羅列されているよりマインドマップで書かれていると、本当に理解しやすいので一度試してみてください。
また、第3章ではマインドマップUMLの融合を図っています。UMLは、きっちりとした構造をもった表記法であり、システム開発においては要求や設計を正確にモデル化し、記述することを目的としています。
私も実感していますが、システム開発を通じてもっとも難しいのは要求を把握・獲得することであり、そのためのテクニックとしてマインドマップを使おう、というのが本章の中心テーマとなっています。ユーザーのシステムに対する要求というか想いは、実にやらかく、ふわふわとしているものです。やらかいものを集めるには、やらかい構造を持つマインドマップがいいんじゃない?というのが、平鍋さんの主張なのです。
マインドマップはなんとなく自由の香りがします。行ったことないのですが、カルフォルニア的な感じなんです。ソフトウエアは人が作り、人が使うものです。そして、人は本質的にやらかく柔軟で、自由なはずです。平鍋さんやぼくがいる業界は硬直化し、様々な問題があることが毎日のように指摘されています。しかし、現場のエンジニアは問題意識を持ち、改善の努力を重ねています。マインドマップはそんな意識の現われであり、シンボルなのでしょう。
現場に風穴を開け、改善を進めたいリーダーの皆さんにお勧めです。