誠実さは競争力

私はSI屋の競争力とは問題解決能力の質だと思います。納入するシステムというのは最も大きな問題解決の結果の一つに過ぎません。致命的なバグがでないからといって顧客満足が高くなるとはいえませんし、仕様書どおりに動くからといって高品質だといえるものではありません。お客さまが本当に評価するのは問題解決というサービスの質であり、それを実現するのは、あらゆる面に心配りを行き届かせる誠実さだと強く感じます。
誠実さは日々の小さな行動の積み重ねから醸し出される雰囲気であり、打算的に身に付けられるとは思えませんが、それを承知で、自分なりに心がけている仕事上の行動をリストアップしてみました。

  1. 何事もこちらから提案する。
  2. 言葉遣いに気をつける。お客さまの陰口を言わない。
  3. 小さな約束でも必ず守る。
  4. 安全な変更なら、どんどん引き受ける。
  5. どんな小さな修正をしたとしても、テスト・確認をする。
  6. 相手が知っているであろう情報+αの提供を心がける。
  7. しっかり調べてから回答する。裏を取る。
  8. 相手の立場にたって発言する。相手の世界の言葉を使う。
  9. お断りするときは必ず理由を説明する。代替案を用意する。

1番から3番は道徳の授業のようですが、だんだん効果がでてきます。行動や発言が変われば気持ちも変わっていくものです。
4番、5番はTDDを実践していれば実現しやすいですね。
6番、7番は何気に重要です。Googleですぐに調べられる情報をお客様に出してもダメなのです。そこからさらに一歩踏み込まなくてはいけません。例えば自分でコード書いて検証したり、さらに専門家に問い合わせたり、+αの行動が大事です。
8番、9番は交渉における心がけでもあり、心理的に相手との距離を離さないために必要な行動です。

ただし、なんでもかんでもいいなりになるのが誠実なことではありません。それでは責任を放棄しています。例えば稼動数日前、重要だが緊急でない変更を加えたいとお客さまが言い出したとします。このような場合は、しばらく思いとどまってもうらうよう説得することが誠実さなのです。
価格や技術力と同様、誠実さに代表される人柄・人間力も競争力です。とても感覚的なことなのですが、サービス業ではこういうところで差がつきます。そして、これをチーム全体に浸透させなくてはいけませんが、まず隗より始めよ。あなたからスタートです。