自己プレゼンの文書術

「作文は論文ではない。読み手はあなたという書き手を知るために読むのである。」自己表現としての作文の書き方であり、プレゼンの極意でもあります。

授業では、作文実習に力を入れ、いつも「作文のよしあしは題材にかかっている。いい題材を探せ、作り出せ」
「主題を意識せよ。主題のはっきりしない作文は無価値」
「作文するエネルギーの大半を内容の企画にあてよ」
「文章は気にするな。あとで直せる」
といい続けた。

自己を表現するためには、体験をベースとした題材から主題を導き出さなくてはならない。この「当たり前のこと」の難しさは、実際にブログなどで定期的に文章を書いてみるとわかります。体験が乏しい話題はどうしても内容が薄くなります。
一番大事なのはどんな経験であっても積極的にかかわることで「体験」にすること。この心構えがない文章には魂がこもらないことが良く理解できました。
また、体験を活かす方法として、体験を「エッセンス化」することを薦めています。つまり、自分の体験したことを事実と考察のペアとして短い文章で記録するのです。こうして書き溜めたエッセンスを材料として、さまざまな場面で文章という料理を作ることができるのです。
作者はビジネスマンと講師両方の経験を持っており、そのせいか内容も実践的です。普段なにかと文章を書きプレゼンする機会の多いエンジニアや管理職にお勧めします。

自己プレゼンの文章術 (ちくま新書)

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