コロナとリモートアジャイルとDXと摩擦

昨晩、Zoom使ったオンラインのDevLOVEイベントで、久々に市谷さんと木下さんと語りました。テーマ(キーワード)は「アフターコロナ・リモートアジャイル・DX」で、今最もホットな話題かもしれません。そのせいもあって、たくさんの方に参加いただきました。ありがとうございます。

対談なので結論を出すようなものではなかったのですが、市谷さんのまとめは、私も木下さんもその場で膝を打ちました。「分断」に注目するのが市谷さんらしい。

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 さて、このエントリは私が昨日自己紹介で話をした内容を補足を交えて記録しておこうという思いから書いています。

自己紹介は、3人が共通の質問に答える形でのポジショントークでした。

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リモートアジャイルどうやってますか?

まずは「リモートアジャイルをどうやってやってますか?」

緊急事態宣言を機に、私の勤務先でもほぼ全てのアジャイルプロジェクトがリモートに切り替わりました。基本的にはうまく切り替えできていて、壁(ホワイトボード)をmiroに、コミュニケーション(雑談専用)は、Discord に、など各チームのメンバーがそれぞれ色々試しながら、現場にフィットさせています。(このあたりはYouTubeチャンネルにまとめてあります(余談ですが、自分で動画編集してYouTubeデビューなんてこともコロナの影響ですね)。

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ノウハウ伝えるだけでは足りない

ノウハウはそれなりに蓄積され、今でも小さな改善を繰り返し、それを皆様に共有できるようにしているのですが、やはり、これだけで全てを語りつくせないという思いはあります。

今回、真ん中にWhy(ASFを作りたい!というビジョンの根本である平鍋さん)を置くゴールデンサークルを描いたのは、現在リモートアジャイルでも成果を出せているのは、ビジョンに基づいて日々活動する現場のメンバーのHow(ノウハウ・知恵)があり、それを「リモートアジャイルサービス」というWhatにして表現できているからなんだろう、という思いからです。

それぞれ大事なんですが、やっぱ、Whyって必要だよなぁ、と。そのWhyを形にしたAgile Studio Fukui では今は誰も働けてないのですが、そこに込められた思いや、その現場でのふるまいの記憶が、リモートに切り替わっても理想形として影響を与えている(まるでプラトンイデアのように)。

 

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アフターコロナでどこが変わりそうですか?

次に「アフターコロナでどこが変わりそうですか?」という問いです。

これも多様な回答が生まれる問いかけになっているのですが、自身の経験と役割から、組織論的な回答にしています。私自身コロナモードに入ってから、社外の人達(コミュニティ)との会話や共同作業が増えました。もちろん、たまかまかもしれないし、全ての人がそうであるとは言いませんが、オフィスという定期的な集合場所がなくなると、個人はそれぞれで繋がっていく機会というか欲求が増えるのでは?という感覚はあります。

組織内でもそれは発生すると考えると、実際に組織階層が解体されることはなくても、社内コミュニティのようなソフトな人的ネットワークが強まり、そのような仕事スタイルが是認されうるかと。

 

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DXはコロナの影響を受けてますか?

最後の質問は「DXはコロナの影響を受けていますか?」

いち受託ベンダーとして大局観で語ることはできないテーマなのですが、「DX推進担当」の視点から、中長期的に見たポジティブ要素について。

実際に事業会社さんの本気度が上がっているケースを見ていますし、ウェビナー等の機会に、参加される人も増えている実感があります。

今まで誰も経験したことのない状況に、世界中の人や企業が対応を迫られているわけですから、当然カオスだとは思います。ただ、各社各人それぞれ生き残りに向けた戦略が必要になり、それに本気を出さざるを得ない、という意味では動きが「読みやすい」のかな、という思いがありました。

DX、つまりデジタルによる抜本的な革新や業務の効率化の達成が、大半の組織や活動にとって、できたらいいな、ではなく、やらないと生き残れない、という目標に格上げされるイメージです。

ここで「摩擦」という言葉を選んだのは、「今はこのような状況だから○○を進めるべし」的な大義名分が作りやすく社内の抵抗が減る、というのがストレートな例えなのですが、それだけでなくて、対外的な状況も非常に広範囲で固定化されうる、つまり読みやすくなる、ところまであるのかな、という思いです。

これは、机上の戦争と実際の戦闘とを区別する概念であるクラウゼビッツの「摩擦」から借りてきています。

これ以上書くとぼろが出そうなのでここまでにしておきますが、それぞれの戦場=現場で、それぞれの指揮官が、DXというゴール(だけでなくて、状況をより良くするための改善や改革提案)実現に向けて、アクションしていきましょう、という思いです。

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「摩擦」は減っているかもよ

 最後に、このような機会をくれた市谷さんと木下さんに感謝です!対談はなかなか難しいですが、また、語りましょう。