アジャイルに向けた取り組み

id:kuranukiさんの日記から。
素晴らしいです。共感し、すっきりと頭が整理できました。私はアジャイルな人ではないと思っていたのですが、実はアジャイルを目指してるんじゃ?ということを改めて認識しました。

さて、アジャイルは、次に示す4つの層に分かれるのではないか、と考えています。

* テクニカル
* ファシリテーション
* マネジメント
* ビジネス

 上位のレイヤの方が導入は容易になりますが、その結果が及ぼす影響範囲は狭くなっていきます。逆に、下位のレイヤの方が導入が難しいだけあって、その効果は大きくなります。

私は、エンドユーザーと直に契約をしていれば、「マネジメント」レイヤの大部分は実践できると実感しています。システムに詳しくないエンドユーザーであるほど、アジャイルが持つ、変更を許容する価値観と、それがもたらすスピードのある対応を望んでいます。
それを阻み、ビジネスレイヤの導入を難しくしているのは、SIが持つビジネスモデルであることは間違いありません。特に大規模なプロジェクト、組織であるほど、「一括契約&差分で稼ぐモデル」を変えていくことは困難で、それを良く理解しているプロマネは、この契約モデル(というより、お客さまとの共有認識)を使ってチームを(リスクとしての過度の変更から)守ろうとしているのが現状でしょう。

契約を始め商習慣を変えるのは本当に困難で、受注者側から提案する場合、発注者のメリットを相当にアピールする必要がありますし、実績と何よりお客さまからの絶対的な信頼が必須です。

よって、アジャイル開発を本当に実践したいというのであれば、SIビジネスとは別のビジネスを実現させる必要があります。それが、アジャイルの「ビジネス」のレイヤになります。

そしてSIerとして何を売り物にするか、何をもって信頼を勝ち取るかというと、実は問題解決のスキルと、そこでお客さまが受け取るサービスとしての満足度であり、納入するハードやソフトそのものではありません。SIerアジャイルマインドを持った人間をもっともっと増やし、アジャイルのビジネスレイヤにチャレンジするには、このような共通認識を組織の隅々にまで啓蒙し続ける必要があり、それが私のミッションです。