「計画力」を強くする

著者の加藤昭吉さんは計画技法の第一人者。本書は「計画力」強化プログラムであり、リーダー・マネージャが身につけるべき思考フレームワークとチェックポイントを分かりやすく説明してあります。
加藤さんによれば、計画が失敗する理由は以下の九つ。

  1. 計画の目的・目標がはっきりしていない
  2. 頭の中だけで組み立てた計画になっている
  3. 状況判断を誤って計画している
  4. 目先の問題解決を積み重ねただけの計画になっている
  5. 複数の計画案から選び抜かれていない
  6. 計画通り実行する熱意に欠けている
  7. 計画実行の勘所をはずしている
  8. "終わり"からの逆算ができていない
  9. 計画の適切なフォローアップができていない

1番、4番に関しては特に同感です。日本人の「とりあえず」という口癖に象徴される、目の前の問題に一つずつ対応するやりかた、それを絶対的に悪いとは言いませんが、計画を一から作って、それを完遂するには不向きです。「人は目標を求める生き物」であり、最終的にどの方向に行きたいかは、リーダーが指し示す必要があります。やっぱり、目的・目標は大事ですね。
また、計画実行のポイントとして「計画の人間的側面に配慮すること」も挙げられていて、

緻密すぎる計画は関係さの参加意識を低下させて、力量を発揮する余地をせばめてしまいます。

とのこと。私も不安なとき、ついつい緻密化してしまうことあります。とっても共感できました。
他にも色々と腹に落ちる事が簡潔に書かれてあります。リーダーなら絶対読んで損は無いですよ。オススメ。

「計画力」を強くする―あなたの計画はなぜ挫折するか (ブルーバックス)

「計画力」を強くする―あなたの計画はなぜ挫折するか (ブルーバックス)