手の内をオープンにする

↓まったく仰る通り。信頼性も品質特性の一つであり、機能性や使用性との(コスト面での)トレードオフは発生するし、特別高い信頼性が必要であれば、相応のコストを追加しなくてはいけない。

システムの信頼性への過度な期待が、開発・運用コストを押し上げていると浜口氏は指摘する。「同じ航空会社のシステムでも、航空管制システムと、航空券を予約・発券するシステムとでは、求められる信頼性が異なってしかるべき。本当にそこまでコストをかけるべきなのか、システムの種類や用途ごとに、あるべき信頼性のレベルを議論すべきだ」と提案する。

JISA会長がこのような発言をするということは、信頼性とコストのバランスには相当苦慮されているのでしょう。そりゃ、お客様の立場からすれば品質は高いほうが良いに決まってますから。
システムを開発するというのはやっぱり投資なんです。使い物にならなかったり、使われない機能は完全に無駄。同様に高すぎる信頼性も無駄である。このような考え方をお客様といっしょに学ばないといけない。

どうすればいっしょに学べるだろう?
まずは開発側が正直になることだと思う。
「これくらいの機能を作るには、これくらいのコストは必要」「この機能は使われないと思います」「高機能を実現するには性能が犠牲になります」とちゃんと話せる関係に向けて真剣に取り組まなくては。
そのためには、生産性、つまり自分たちの実力をオープンにしなくてはいけない。手の内を明かす。これは怖いことですよ。
でも、それにチャレンジできなくては、いつまでたっても「適正な品質」についての共通認識はできないでしょう。