プログラマのワークライフバランス

私の友人の外資系生保営業マンは、転職後わずか1、2年でトップ生保マンの証であるMDRTに選ばれるほどの優秀な奴だ。もちろん、土曜も日曜もなく営業しているし、何かあればお客様のところに駆けつけなくちゃなので、普通に考えるとしんどそうではあるけど、傍から見ていると、とても充実した仕事と生活をおくっているようにみえる。
彼は多趣味だが特に酒に対する造詣が深く、中小企業診断士と同じくらいの情熱で利き酒師の資格を取得したくらいだ。特筆したいのは、接待営業に使えそうだからといった打算で資格を取ったわけではないということ。本当に酒が好きだから取ったという。そしてもちろん、この資格は営業面にも役にたっているらしい。お酒で深まる仲というのは馬鹿に出来ない。
もちろん彼は、お酒の場だけでなく、普段から本気でお客様のライフプランについて考え、ベストな提案をしようと心がけている。そしてその心意気はお酒の場で見せる彼の生きざまによってブーストされお客様に伝わり、結果的に営業成績に結びついているのだと思う。

もう一人の友人は医療関係のソフトパッケージの営業マンだ。彼もとても優秀な営業で、お客様にとても好かれる。なぜ好かれるのか考えてみると、おそらく彼が「媚びないけども、尽くしてくれる」からだ。彼は自分の時間を使ってお客様の職場のPCを修理したり、ウイルス駆除まで行う。場合によってはプリンタをのせるラックを木材を買ってきて自作までする。お客様の病院の祭りの出店で焼き鳥を焼くことするする。でも彼は「PCや木工は自分の趣味だし楽しいから問題ない」と、平気な顔だ。
さらに、彼はこのような「業務外サービス」だけで仕事を取ろうとしているわけではない。彼は決して媚びない営業をする。泣きの営業はしない。知恵を絞ったシステム内容と価格設定により、売り手と買い手が納得した提案で勝負することに意義を感じているそうだ。

たまたま例が営業マンだったけど、私は彼ら二人とも仕事と趣味という意味でのワークライフバランスが取れた素敵な人生だと感じる。理想的なワークライフバランスとは、仕事でのいやなことをプライベートの楽しみで打ち消すことじゃなくて、お互いがプラスに作用しあう結果によってもたらされるし、保たれる。

そう考えるとワークライフバランスのとれたプログラマは、仕事でしっかりプログラムを書き社会に貢献し、プライベートでも好きなプログラムをがっつり書き自分や他人を楽しませる。そんな人なんじゃないかと思える。何よりもプログラミングのことが好き。だから仕事にしたし、仕事以外でもそれを普通に続けられる。このような境遇にたどり着くのは難しいかもしれないけど、目指してみたい。