ザッソウと鶏と卵。『ザッソウ 結果を出すチームの習慣』を読んで。

久々のエントリとなります。(いつも再開するときは倉貫さんの本の感想になってるなぁ…)

仕事に関わる様々を聖域なく見直すだけでなく、ザクザクとなくしてきた倉貫さんの最新刊は、ホウレンソウからザッソウへの誘いです。 

「仕事の基本はホウレンソウだ」。私も20年以上前、当時の上司からなんども聞かされてましたし、新人教育の教本にも書いてありました(数年後、もしかしたら私も後輩に対して使っていたかもしれません)。

仕事において、報告・連絡・相談それぞれが大切なことは否定しませんが、「仕事の基本はホウレンソウだ」とは、手垢がついてて2019年に口にしたいフレーズではありませんね。

特に私も属しているIT業界では、ワークスタイルやカルチャーがずいぶん変容してきました。アジャイル開発に本格的に取り組むことによるチームワークと自己組織化重視の姿勢。よりフラットな組織構造。リモートワークなど多様な働き方の許容。まさに倉貫さんとソニックガーデンが率先して実現してきたスタイルですが、なるほど、そのような会社にホウレンソウは似合いませんね。

私が「ザッソウ」が良いなぁと思ったのは、「納品をなくしたり」「管理をゼロにする」より、手軽に、今すぐ、自分から始められること。逆説的に言えば、倉貫さんも本書でザッソウせよと指示するほど無意味なことはないとおっしゃっている通り、組織的に大々的に導入していくものではないんですよね。マネージャが意識してザッソウを続け、その姿をチームや組織のメンバーに見せることで、ザッソウすることに対するしきいを下げ、「ザッソウミーム」を増殖させていくほうが、多分うまくいきそう。

鶏と卵的な話で、(フラットで自己組織的な)モダンチックな組織だからザッソウできるんじゃない?、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、規律あるリーダーシップが存在する組織であれば、どのような構造やワークスタイルの組織でもザッソウを広めることはできると考えます。

ここでの「規律あるリーダーシップ」とは、「組織を維持発展することに真剣な人」ぐらいの意味合いで使いました。階層的で縦割りが強い組織であったり、変革のスピードがゆっくりであったとしても、そこで働く人があきらめず問題を解決するという意識があれば、ザッソウは根付き、結果は出ると信じます。

これは、実際に私の周りにいる人を見てそう感じたからなのですが、、ここまで書いてきて、「もしかして規律あるリーダーシップはザッソウ的な行動が育んだのでは?」という質問に答えられない自分に気が付きました…。

 

いつまでも鶏と卵に振り回されず、自分から始めないとダメですね(笑)。

本書を、皆さんの身の回りにいる、リーダーシップを持った人と一緒に読むことをお勧めします。それこそ、「ちょっといい?ザッソウ本読んだ?」というザッソウを開始する良いきっかけになるでしょう。