現場リーダーの面白み

現場リーダーという立場は性にあっている。悪く言えば、お金や数字が上手に扱えないんだけど、良く言えば、技術や、それに関わる人間を上手く扱う自信はある。
現場リーダーというと、なにやら製造業チックな響きがするけど、SIにまつわるソフトウエア開発の場合は、プロジェクトリーダーやチームリーダーという立場がそれに相当する。小さいプロジェクトの場合は、プロマネとの区別が付かない場合も多いんだろうけど、現場リーダーはお金に関する決裁権が無いのが違い。
お金に関する決裁権があればあるで(つまり、収益に積極的に関わるのは)楽しいのかもしれないけど、現場リーダーの醍醐味はそこにはなくて、「最前線」に立ってある種の制限の中で何かをやりとげる部分にあると思う。つまり、現場リーダーは「中の人」であって、プログラマが感じる喜びに近い。自分で何でも作れる喜び。
ただし、リーダーはあくまでリーダーであるから、仕事の詳細にまで立ち入ってはいけなくて、一番面白い部分はメンバーに任せないといけない。このあたりの感覚は難しくて、どのくらいのバランスが良いかという決まりはないんだけど、自分の頭の中で仕様なり設計なりの成果物が見えた段階で、あとはメンバーに投げてしまうのが良いと思う。そして、ちょくちょくメンバーの顔色を見ながら仕上がりを調整していく感覚。
この「メンバーの顔色を見る」というのもポイントで、こまめにケアしなくてはいけないタイプのメンバーもいるし、逆にあまりベタベタしないほうが良いタイプのメンバーもいるので、メンバーのキャラクタとスキル、あとはもちろん、期限までにに終わりそうかどうかによって上手に「ケツを叩く」。あるときは鵜飼に、あるときは調教師に、あるときはパートナーとして。あるときは師匠として、状況によっては弟子になる必要すらある。だから面白い。