二人のボスとプロジェクトファシリテーター

マトリクス型組織の例を持ち出すまでも無く、ソフトウエア開発を行っている組織では、二人のボスが存在することがある。一人目のボスはプロジェクトリーダーなりプロジェクトマネージャ、もう一人のボスは、組織の(ラインの)上司で、例えば「部長」だ。
ぼくも部長という立場で考えるときに、どのように二人目のボスとして振舞えばよいか考えてしまうことが多い。変にでしゃばると現場のメンバーが混乱することはよーく分かるからだ。もちろん、レポートラインを始め、もう一人のボスに筋を通すことは必要で、それをちゃんと心がけてもなお、である。
でも、意外とその答えは身近にあった。プロジェクトファシリテータである。部長はプロジェクトファシリテータという役割でプロジェクトに貢献する。と、メンバーともう一人のボスに宣言し、そのように振舞うと良い。もちろん、その組織の中での責任や役割分担(特に売り上げやコストの問題)は重要であり、それはそれで合意をとった上で行う。重要なのは、メンバーにとってどのような役割の人だと見えることであって、会社組織ツリーの中での位置づけに関しては二の次で良い。最近は「プロジェクトファシリテーション」という言葉も随分浸透してきたので、メンバーに役割を説明しやすいのも良い点だと思う。