「透明の壁」をなくすことが僕の仕事〜AgileJapan2009を終えて

4月22日、無事にAgileJapan2009を終えることができました。一参加者として、本当の意義深いイベントだったと思います。そして一講演者としては、クロージングセッションという大役をなんとかこなすことができ、ほっとしているのが正直なところです。
私の講演内容については、id:mnishikawaさんのレポートが的確です(スライドはしばらくしたらダウンロード可能になりますが、スライドにないことたくさん喋ってます)。

岡島さんが最近まとめられた、「ソフトウェア開発を成功させるチームビルディング 5人のチームを上手に導く現場リーダーの技術」をタイトルにしたセッションですが、本で詳しく紹介しているチーム・ビルディングのプラクティスなどは、あえて深く言及せず、AgileJapanのテーマである「人」にフォーカスした話でした。

なお、イベント全体については、Blog on Publickeyさんもよいまとめになっていますよ。

私は今まで、実は自分はアジャイルな人ではないと思っていたのですが、今回のイベント(+翌日に行なわれた北欧イベント)に参加することで、自分の持つ価値観はアジャイルであることを認識することができました。

今回の講演で、私はカマスの実験を引き合いに「透明の壁」という言葉で開発者とマネジャ間の壁というか断絶を表現しました。長らく、みなさんと同じようにこの壁の存在に戸惑い、歯がゆく思っているからです。もっとうまくやれるはずなのに!って具合に。*1
だからこそ、チームビルディングの重要性を強く感じ、そこに力を入れて仕事してるし、人前で話したりする。
一方、私が理解したアジャイルなチームとは、「コミュニケーションの失敗によるロスを減らすことを大原則に、それを支援するプラクティスを適宜生み出したり取捨選択しながら成り立っている主体的なな人の集まり」だということ。
根本は一緒。「やっぱり僕の仕事は壁を壊すこと」そしてこれからは「僕が目指しているのはアジャイルなチームです」って言える、そう感じることができた貴重な一日でした。

*1:コミュニケーションの断絶はソフトウェア開発組織固有の問題じゃなくて、人間が集まって何かをする場合には避けれないことなんですよね。町内会だってPTAだっていっしょ。だけど、ソフトウェア開発は御承知の通りふわふわして掴みどころがないものを固めることが本質なので、より断絶によるロスが目立つし、失敗に直結してしまう。