組込みプレスVol20

本日発売の組込みプレスVol20の特集2「ICTから学べ〜これからの組込み開発者に求められるスキル&マインド」に、永和システムマネジメントのメンバーが執筆しています。

組込みプレス Vol.20

組込みプレス Vol.20

「第2章 コンポーネント指向による要求分析/ 設計の実際〜UML/DFDの活用」と「第3章 組込み開発でテスト駆動開発は有効か」がそれです。いずれも現場で主導的な立場で動きつつ、バリバリ開発をしているメンバーによる実践的な内容が特徴となっております。
まず第2章。コンポーネント指向は組込み開発でも取り入れられつつあります。筆者の藤井さんはそれを現場で実践し、UMLだけでなくDFDを組み合わせたモデリングをしています。実情に合わせた工夫をしているのがユニークで実戦的です。
第3章の筆者森さんは、アジャイルの肝となるテスト駆動による開発が、組込みでも使えるのかどうか、テストツールやカバレッジツールの説明を交えながら解説しています。
また、今回の特集のもう一つの特徴は「コラボ」です。第1章では、自動車業界におけるTier1サプライヤである三井金属アクトさんによる「MBDを品質確保とコスト削減に利用する」という取り組み。第4章は全社的に要求開発に取り組まれている大阪NDSさんによる、「組込み分野における要求開発」という取り組み。いずれも弊社とのご縁から、今回の特集に協力していただいております。
第1章・第4章とも、「これからの組込み開発者に求められるスキル&マインド」という大きなテーマにフィットするように、それぞれの業務における実体験を抽象化し書いていただきました。

組込み開発者に求められるスキルは年々高まり、必要となる知識もIT関係だけでも広がる一方である。機能が複雑になればなるほど、コアロジックや特定分野の制御技術だけでなく、ネットワーク機能やユーザインターフェースといったレイヤの機能開発も避けられない。ひと言でいうなら、組込みデバイスとPCの境界がますますあいまいになり、それぞれの応用分野におけるオーバーラップが大きくなっている。
このような大規模開発では、専門分野ごとにモジュールやコンポーネントの分離、分業が進んでいるが、製品やシステムの設計者、マネージャは全体を把握する必要がある。現場の開発者も、プロジェクトの規模によっては、自分がカバーしなければならない領域が得意分野や専門分野とは限らない。
この特集では、ICTというアプリケーション開発やシステムインテグレート(SI)という視点から、組込み開発にも応用できるプラクティス、開発スキームはないだろうかということを掘り下げる。

以上は特集の扉ページからの引用ですが、あらためて第1章から第4章まで読んでみると、随分幅広いテーマになったものだと感じます。エンジニアには当然スキルが必要ですが、同様に「もっとよいものを、もっとよいやり方で作りたい」というマインドも大切です。具体的なスキルについては第1章から第3章が、マインド面については主に第4章がカバーします。現場で実際に開発をされているエンジニアから、マネージャ層まで、幅広く読んでいただける内容になっていると思いますので、是非一度手に取ってみてください。