JavaからRubyへ
- 作者: Bruce A. Tate,角谷信太郎
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2007/04/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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思えば角谷さんと最後に仕事をしたのは3年前になる。あの時ほどJava(EJB+XML)の非本質的複雑さに悩まされたことはない。WebSphereの設定にハマリまくって、「今日本にMartin Fowlerが来てるので今日はもう帰っていいですか?」と角谷さんに聞かれたのも記憶に新しい。(念のため、もちろんOKしましたよw)そんな角谷さんがこの本を訳すのは運命だったに違いない。
今のぼくは一括Web案件に携わることが多く、主にJavaを採用している。軽量コンテナ(Seasar2)と、高機能IDE、豊富なCPUとメモリパワーを使うので、技術リスクはほとんど感じていない。(もちろん、3年前に初めて自社でS2を採用するに当たってはリスクを取りましたよ)
そんな状況で現場リーダーやプロマネをしてると、プロジェクトのリスクを言語やプラットフォームではなく、コミュニケーションやプロセス、政治などに求めがちになる。
しかし、この本を読んでると、生産性の高さ(やりたいことをより短いコード量、時間で実現する)は根本的なパワーだということに改めて気がつかされる。「生産性が高けりゃ、人が少なくてすむのでコミュニケーションがシンプルになる」当たり前の話なんだけど、最近は上流に意識が行き過ぎて注意を払えてなかった。
Rubyは、プログラミングが楽しいという。ツールのインストール方法や設定ファイルの書き方覚えるより、ビジネスそのものを表現するコードの書き方を覚えるほうが楽しいし、効率がいいに決まってる。
JavaからRubyへ、この本は私のようにコードを書かなくなりつつあるリーダー・マネージャにこそ読んで欲しい。組織にどのようにRubyを取り込むかといった政治的な戦略にまで触れているのが素敵だ。参考になる。
だけど本当に重要なのはRubyは10年に一度やってくる大きな波だということに気がつくこと。そして、今度の波は今までのより楽しそうだ、ということ。Rubyなら、バージョンを重ねるごとに遅くなるEclipseの起動時間を待つ間に真っ白なエディタにコードを書き始める気持ちよさが味わえるに違いない。
なにやら、ぼくのプログラマ感覚の残滓に訴えかけるのだ。
ビッグウェーブに見事に飛び乗った角谷さんに軽いうらやましさを覚えつつ、GoodJobと言いたい!
久しぶりに伝家の宝刀抜きたくなったよ。いや、ホントに。