計画に生命を吹き込むフォローアップ〜『計画の科学』

「計画力を強くする」の加藤昭吉さんの本だったので、古臭いと思いつつ買いました。この本は1965年に書かれており、当時アメリカで熱狂的に流行っていたというPERTについての解説本です。

計画の科学―どこでも使えるPERT・CPM (ブルーバックス)

計画の科学―どこでも使えるPERT・CPM (ブルーバックス)

『計画力を強くする』でも感じたのですが、加藤さんの本は熱いところがいいです。「科学する」というと機械的な感じがしますが、むしろ人間くささを感じます。特に第6章「フォロー・アップ(計画の追跡)」は必読でしょう。とても印象に残った一説を引用します。

仕事の上の計画もこれと同じで、できあがったネットワークを格好がいいからというので壁にはって見ているだけでは<人生計画>を立てて努力を忘れたようなもので、待っているのは酔生夢死の末路である。したがって、計画を計画通りに運ぶ努力を怠ってはならないが、場合によっては条件の変化に調和して計画の内容を修正しながら所期の目的を達成する技術をしっておかないといけない。

この後に、実際にPERTのネットワーク図をフォローアップする方法が説明されています。米軍のポラリス・ミサイル計画では、2週間に一度フォローアップを繰り返したらしいです。(具体的なやり方に興味のある方は本を読んでみてください)。
他にも「三点見積と確率」など、現代のソフトウェア開発者にも役立つ手法も説明されています。オススメです。