小さくても成功しているソフトウェア企業

『Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方』が面白いです。まだ全部読み終わってませんが感想を書き始めたいくらい。

Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方

Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方

『Eric Sink・・・』は受託でない「ソフトウェア企業」がテーマです。つまり自分の会社でソフトウェア製品を開発し売っている企業が舞台であり、そこで働くエンジニアが主役のお話です。

私が洋書(特にコンサルタントが書いている、軍のシステムがよく例示されているもの)を読んでいつも感じるのは日米のソフトウェアビジネス環境の違いからくる違和感です。洋書の場合、暗黙的にソフトウェア製品開発現場が舞台になることが多いのですが、私が受託開発に携わっているせいか、正直ピンと来ない部分もありました。*1

しかしこの本にはその違和感はありません。帯にも「小さくても成功しているソフトウェア企業の マーケティング/マネジメント/セールスのすべて」とあるとおり、扱うテーマが比較的小さく設定されてあるせいかリアルです。受託開発を生業としながらも、裏テーマが「脱受託」である私にはジャストフィット。ちょうど読みたかった本です。
特に(今のところ)面白かったり共感できたり役に立った章を気に入った文章とともにメモしておきます。

  • 第7章 もっと失敗しよう

私はセミコロンに対する宗教的な信奉は捨て、VisualBasicで作るべきだったのだ。

1998年にGUIアプリをJavaで書くことに掛けたことについて。私も似たような経験をしたもので。。

プログラマ”(コードを書くのに特化した人)ではなく、必要なのは”開発者”(製品の成功のためにたくさんの面で貢献する人)なのだ。

これはスモール受託開発をやっている会社でも同様ですね。

しかし私はISVで働いている。ソフトウェアを作るのは好きだが、SourceGearは趣味でやっているわけではない。それは仕事なのだ。私たちは顧客に製品を売っている。ここではユーザーより重要なものはない。何も。

この文は何回も繰り返し出てきます。「ユーザーより重要なものはない」は、当たり前だけど大事です。

  • 第13章 キャリア計算

学習を一度限りの出来事ではなく、継続的なプロセスにしたいのだ。一次導関数を常に正にしておくというのは、公式の教育だけの話ではない。日々仕事に取り組む姿勢もそうあるべきなのだ。学び続ける姿勢を持ち、いつでも喜んで学ぶということだ。

今日はここまで。

*1:だから『受託開発の極意』では「日本といえば受託開発」という「ご当地感」を狙って書いている部分はあります。